「ダメ人間」の履歴書。

働くの大嫌いな俺様がイヤイヤ働いてきた記録。

第1章 お土産屋2

面接当日。
俺は早起きして駅へ向かった。
電車に乗るためじゃない、時刻表を確認しに行っただけだ。
スマホは疎かガラケーすら普及してなかったあの頃、時刻表は雑誌の時刻表を買うか、現地確認するしかなかった。
時刻表と運賃を確認した俺は一旦、家へ帰った。
これで何時に最寄り駅から乗車すればいいのか分かった。乗り換えは・・まぁ何とかなるだろう。都心だし。

さて、時間だ。最寄り駅へ行こうか。鞄には念の為、地図を入れておいた。繰り返すが、スマホなんてまだ無い。アナログな紙の地図だけが頼りだ。

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約束の時間の5分前に着いた。上々の出来である。
しかし、ここで困った事が。
会社のビルが2つあるのだ。番地まで同じ。求人誌に号の記載は無い。
うーん、どっちだろう。
あと5分しかない。とりあえず右側のビルに入ってみた。
・・ちがーう!
隣りのビルだったようだ。
少し遅れてしまったが、よくある事なのか、それとも俺が世間知らずのガキだった為か、担当者はニコニコで迎えてくれた。

やたらゴージャスな部屋へ通され、面接が始まった。
名刺を渡される。・・社長って書いてある。
てっきり課長とか中間管理職の人が応対してくれるのかと思っていたのだが。
しかし、この社長、よく見ると成金趣味なのか、前歯が全部金歯だ。さらに金の指輪がほぼ全ての指に嵌まってるし。
昔、金ピカ先生とかいう予備校講師がいたけど、そんな感じ。いや、もっとか?

面接の結果は採用だった。
なんかやたらと容姿を褒められた気がする。
見た目関係あるのか?
まぁ、採用されたからいいか。
明日からさっそく仕事だ。