「ダメ人間」の履歴書。

働くの大嫌いな俺様がイヤイヤ働いてきた記録。

第1章 お土産屋3

さて、採用された俺は、駅へ向かった。
職場は駅ナカの店舗だった。
ここで東京銘菓を売るのだ。
マニュアル的なものは無かったと思う。
OJTなんて言葉も無かった時代だ。
なんかテキトーに教えられた感じだった。

働いてみて分かったこともある。
商品をここで蒸してます!って感じで蒸気が出てるんだけど、これがダミーだった事。
コンセントに挿せば煙が出る機械があるのだ。
それと、店員のおねーさんがみんな可愛かった事。(そのうちの一人と仲良くなっちゃって人生初の朝帰りをした事もあったっけ。)
顔で採用してるのか?でも男性店員はイケメンは一人もいなかったな。
俺の容姿がやたらと褒められたのはこれが理由か?
あと、商品に記載の賞味期限はウソっぱちだった事。
販売した時にコッソリ日付印を押すのだ。
じゃあ、ホントの賞味期限は?っていうと、これは包装紙を剥がして箱の底を見ると、ヒミツの記号で書かれているのだ。
これを、これまたヒミツの互換表と照らし合わせて解読するのだ。
たまーに、売れ残った商品の包装紙を剥がしてホントの賞味期限を確認したりしてた。
でも賞味期限切れはほとんど無かったと思う。
時はバブル景気。飛ぶように売れていた。作っても作っても品切れになっていたのだ。